AIが税額を決める作業を効率化
2019年8月7日
固定資産税とは毎年1月1日時点の所有者に対して課せられる地方税です。4月頃から納付書が発送され始め、6月、9月、12月、2月の4回に分けて納めるケースがほとんどで、納税額は固定資産税評価額に税率(標準は1.4%)をかけた金額です。この固定資産税評価額を決めるのは課税主体である市町村となる訳ですが、評価業務の一部にAI(人口知能)を活用する自治体が登場しました。
さいたま市は課税対象となる家屋の新築や増築などを判断する際、これまでは年初に航空撮影した家屋の写真を委託業者や市の職員が前年の写真と目視で比較していました。この作業をAIに任せることで、AIが的確に家屋の変化の有無を判断できるため、職員が現場に赴いて調査する時間も削減できる見通しだということです。固定資産税の評価業務に586時間かかっていたものが、AIの導入で63時間まで減らせると試算しており、9割程度の効率化と言えるでしょう。本格的な活用は2020年1月から始める予定です。
このように大幅な効率化ができた結果、「うちの自治体はAIで効率化した分、固定資産税の税率を下げます!だから移住してきてください!」という市町村が出てきたら非常に面白いと個人的に思います。しかし、ほとんどの自治体は税収だけで予算をまかなう事ができず、国からの交付金をあてにしていることから、そのような施策は不可能でしょう。効率のよい自治体運営を目指す姿勢が広まっていって欲しいものです。