55万口座の情報
2018年11月15日
日本では、海外に5000万円以上の財産を保有している場合、その海外資産の明細「国外財産調書」の提出を義務付けています。資産ではなく「財産」という言葉を使っていることには注意が必要です。例えば海外に6000万円で不動産を購入した場合、頭金の600万円相当額は現金を拠出しましたが、残代金の5400万円はローンを組んだという場合、感覚的にこの資産はまだ600万円しかないという考え方もありますが、この国外財産調書では負債の額は考慮しないので、資産という言葉ではなく財産という言葉を使っています。
しかし、実は日本ではこの「国外財産調書」を提出している者は国税庁の発表によるとたった9000人しかいません。桁の数がおそらく2つくらい違うくらい実際に申告をしている人が少ないという実情になっています。
日本は今年からCRS(Common Reporting Standard)に加盟しました。CSRは金融口座の共通報告基準で世界102か国が加盟しその国の非居住者の口座情報を交換する制度です。国税庁によると先月この情報を何と55万口座分入手したという発表がありました。
国外に財産をお持ちの方は、来年の申告で国外財産調書をきちんと提出することをおススメいたします。