サラリーマンの税金・お金のお悩み解決ならトランス税理士法人

サラリーマンの税金・お金のお悩み解決なら大平宏税理士事務所

03-6456-4911
facebook

ブログ

雑損控除

2018年9月4日

非常に勢力の強い台風21号が四国沖に上陸しました。

最新の情報をこまめに確認し、早めの対策を行うよう心掛けていただければと思います。

縁起でもない話で大変恐縮ですが、もしこのような災害に被災してしまったときに「雑損控除」という所得控除があります。

雑損控除とは災害などによる損害の一定金額には税金が課されないようにされる救済策のようなものです。

対象となる資産の要件は、納税者又は納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額が38万円以下の方が所有する資産です。

また、棚卸資産や事業用固定資産等、別荘や1組の価額が30万円を超える貴金属や書画、骨董などの生活に通常必要でない資産ものぞかれます。

また損害の原因も災害、盗難、横領に限られ、詐欺や恐喝の場合には雑損控除は受けられません。

昨日紹介した医療費控除と同じくこの雑損控除もサラリーマンの方の年末調整の対象となっていないので、適用を受けるときは確定申告が必要となります。

医療費控除と同じく雑損控除も計算には規定があります。その規定を調べるために例えば国税庁の雑損控除のホームページを見てみると

「雑損控除の金額

次の二つのうちいずれか多い方の金額です。

(1) (差引損失額)-(総所得金額)×10%

(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円 ※差引損失額とは損害額から保険金などで補填される金額を差し引いたものです。

(注)

1.損失額が大きくてその年の所得控除から控除しきれない場合には、翌年以降(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。

なお、雑損控除は他の所得控除に先立って控除することとなっています。

2.「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額などです。

かなり意地悪な表記となっているのはこの太字の部分です。

例えばこの文章だけ見れば所得から控除できる金額は、建物を取り壊したり、除去した時の費用だけだと勘違いしてしまいます。

実際のところはどうかと言うと所得税法施行令第206条で災害関連支出には「損害を受けた住宅家財などを原状回復するための費用も含まれる」と書いてあります。

普通、災害といえば全損になるのは珍しく、修繕するのが普通ですが、国税庁のホームページにはその部分が書いてありません。

修繕でも雑損控除は利用できますので、もし災害で建物に被害が出たら、翌年の確定申告で税金が安くなることがあります

また、雑損控除とは別に「災害減免法による所得税の軽減免除」という制度もあるので、どちらか有利な方を選択することもできます。