配偶者居住権
2018年9月6日
40年ぶりに民法の大改正が行われ、相続税もこれから大きく変化します。
例えば夫が家(5000万円)と預貯金5000万円を残して亡くなった場合とします。
相続人が妻と子が2人の場合、妻は相続財産の2分の1が法定相続分を取得する権利があります。
ここで妻が家を相続してしまうと残りの預貯金は子供たちが相続してしまいます。
妻は老後の住まいに心配はないですが、生活のためのお金がありません。
今回の民法の改正では、遺産分割の対象から「自宅」を除外することにしています。
これによって妻は「自宅」を相続しなくても、預貯金等他の財産を相続することによって、
老後の生活に不安がなくなるというのが目的の様です。
妻は「自宅」を相続しなくても、亡くなった夫の妻であれば、死ぬまでその家に住み続ける
ことができる「配偶者居住権」が創設されます。
しかし、国税庁はどうしても相続税を取りたいようで、この「配偶者居住権」はあくまで
財産としての価値があるとしています。
詳しくは年末の税制改正大綱を待たなければなりませんが、その相続財産の価値をどう
評価するのかが問題となってきます。
当然のように不動産の価値よりは安くなるのでしょうが、妻の年齢によって価値が変わる
というような仕組みになりそうです。
税が民法の理念を骨抜きにするようなことは避けてほしいと思います。