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被災企業の特例

2019年11月11日

三週間ほど経ちましたが、一部の地域では生活の再建もままならないほど深い爪痕を残した台風19号ですが、被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げます。

 

かなり広い地域で河川の堤防が決壊したことによりかなり広範囲に被害が出ましたが、このブログでは個人の救済措置をいくつか触れましたので、今回は企業の税金上の救済措置の一部をご紹介したいと思います。

 

・納期限の延長

災害により、期限までに申告・納税ができない場合には所轄税務署長に申請し、承認をうけることにより、「その理由のやんだ日から2か月以内」の範囲で、申告・納税の期限が延長されます。

「その理由のやんだ日」とはたとえば、災害が引き続き発生するおそれがなくなり、その復旧に着手できる状態になった日などと定義されていますが、実際には上記の期限が経過した後でも申請可能なので、状況が落ち着いてから申請しても実務上は大丈夫です。

 

・資産の評価損

棚卸資産、固定資産、一定の繰延資産について、災害による著しい損傷が生じ、帳簿価額が時価を下回ることに時は、その差額を損金処理することができます。

 

・固定資産の復旧費用

被災資産の原状回復費用は「金額を問わず」、修繕費として処理することができます。

通常想定されるこの費用が修繕費なのか資本的支出なのかの判断がいらないということとなります。

 

・災害損失欠損金の繰戻し還付

災害による欠損金がある場合、青色申告の場合は前2年以内に開始した事業年度、白色申告の場合は前1年以内に開始した事業年度の法人税の還付を受けることが出来ます

 

・納税の猶予

災害により、全財産額のおおむね20%以上の被害を受けた場合、納期限から1年以内の期間、納税が猶予されます。

 

 

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