経営セーフティ共済
2018年11月26日
法人の節税方法の中でも特に使い勝手の良いものに「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」があります。
経営セーフティ共済とは、取引先企業が倒産して売掛債権等が回収できないときに、掛金の10倍まで無利息・無審査で中小機構基盤整備機構がお金を貸してくれるという共済で、40か月積み立てるとそれ以降いつ解約しても掛金の100%が返金されるというものです。この仕組み自体も中小企業にとっては優れたものですが、建設業や製造業以外の業種の場合は売掛金が回収できない事態というのはそんなに多くありません。この共済の優れた点は税務面にあります。
経営セーフティ共済の掛け金の上限は、毎月20万円で年間240万円、累計で800万円までとなっています。この掛け金は全額損金処理をすることができ、しかも一気に240万円まで支払うことが可能になっています。例えば経常利益が1040万円以上出そうな会社であれば、ちょうど法人税や法人事業税に高い税率が適用になる800万円までこの共済に一括で入ることにより節税を図る事が出来ます。
ただこの経営セーフティ共済は生命保険のように少しずつ取り崩せるというような仕組みになっておらず(毎月支払う掛金自体は柔軟に変更できます)、解約という選択肢しか掛金を取り戻すことが出来ません。また、40か月積み立て100%返金された掛け金は雑収益として課税対象となりますので、利益を繰り延べていたという結果になります。また、決算月ギリギリでは加入することが出来ない点も注意が必要です。前納して損金計上したい場合でも原則当月の5日までに申し込みをしなければならない点も注意が必要です。
このような法人による節税方法も多数ご紹介する「不動産事業の法人化」セミナーは今週末12月1日に開催予定です。