相続税における簡易な接触
2018年12月25日
国税庁が相続税調査の「簡易な接触」件数を初めて公表しました。
平成27年1月の相続税基礎控除額の引き下げ等により、相続税の申告件数は増加しました。このほど発表になったのは従来通りの実地による調査とは別に、文書や電話による連絡又は来署依頼による面接により申告漏れや計算誤り等がある申告を是正するように促す接触のことを「簡易な接触」と定義し、従来は実地調査以外の件数は分かりませんでした。
この発表によると、平成29事業年度の簡易な接触件数は11,198件と前事業年度8,995件と比べて増加し、このうち申告漏れ等の非違及び回答等があった件数は6,995件と前事業年度5771件と比べても増加しています。簡易な接触で判明した申告漏れ課税価格は517億円、追徴税額は40億円となっており、簡易な接触1件当たりの申告漏れ課税価格は462万円、追徴税額は36万円となっています。
対して、平成29事業年度の相続税の実地調査における件数は12,576件、非違件数は10521件で申告漏れ課税価格は3523億円、追徴税額は783億円となっています。
相続税に関しては、従来の実地による調査だけでなく、簡易な接触で数十万円の追徴でも見逃さないという姿勢が強化されているようです。