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相続発生後の生活費の問題

2018年11月6日

40年ぶりの大改正により民法が大きく変わることに伴って相続も色々と今後変わります。配偶者居住権なる権利が新しく出来ることはこのブログでも触れさせていただきましたが、実務的に便利になるような法改正もなされる予定です。

 

亡くなった人が名義人になっている銀行口座や証券口座が凍結されお金が引き出せなくなり、残された相続人が故人の医療費や葬儀代、日々の生活費のやりくりに困ったというのは非常によくある話です。もし相続人間で遺産分割協議がこじれてしまうと口座の凍結が長期化してさらにやりくりに困ってしまうという事態になりかねません。

 

これまでも家庭裁判所仮分割の仮処分を申し立てれば他の相続人の利益を害しない範囲で、最高1000万円まで家裁が預貯金の仮払いを認めていましたが、家裁への申立が必要で手間も時間もかかりました。そこで、これからの法改正で家裁の判断を待たなくても法定相続分の3分の1までか法務省令で定められた額まで預貯金が引き出されるようになりそうです。具体的な法務省令で定められた金額がいくらになるのかはまだ不明ですが、相続が発生したことにより残された遺族の生活が困窮することがなくなるのであれば、有意義な法改正といえると思います。