無申告に対する情報収集の強化
2019年2月18日
本日から2018年分の所得に係る確定申告書の受付がスタートしましたが、最近国税庁、税務署が力を入れているのが無申告に関する納税環境の整備に向けた施策です。
資料情報制度の拡充と加算税制度により、国外財産、国外所得の捕捉体制強化を中心に適正な申告を納税者に促すようなシステムが整備されています。
ここ最近整備された施策についてまとめると以下のようになります。
①租税条約に基づく情報収集制度の創設
二国間の租税条約や多数国間の税務行政執行共助条約に基づき、外国税務当局との情報交換体制を強化し、現在123か国・地域で租税条約が発効しています。
②国外送金等調書の提出基準の引き下げ
金融機関は、国外送金及び国外からの送金の受領について、顧客の氏名、送金額、マイナンバー等を記載した調書を税務署に提出することになっていますが、その基準額が平成10年4月に200万円超から100万円超に引き下げられています。(最近ではないですね)
③国外財産調書の創設
その年の12月31日において、5000万円を超える国外財産を有する者は、国外財産の種類、数量、価額、マイナンバーなどを記載した調書をその翌年の3月15日までに税務署に提出することに平成26年からなっています。
④財産債務調書制度の創設
平成28年からその年の所得が2000万円を超え、かつ、その年の12月31日において3億円以上の財産又は価額の合計額が1億円以上の有価証券等を有する者は、財産の種類、数量、価額や債務の金額、マイナンバー等を記載した調書をその翌年の3月15日までに税務署に提出することになっています。
⑤加算税制度の見直し
調査通知後、いわゆる更正予知前までの期間における申告書提出に係る加算税について見直しが行われるとともに、繰り返しの無申告等に対する加重措置が平成29年から導入されています。
⑥CRSによる非居住者の金融口座情報の自動交換
日本の税務当局もCRS(共通報告基準)による非居住者の金融口座の自動的交換制度を平成29年に導入しています。
このように無申告に対する税務当局の対策が強化されているため、期限内の適正申告が必要です。