減価償却(1)
2018年9月13日
少し前に「なぜ社長のベンツは4ドアなのか」という本が流行りました。
世の中の社長と呼ばれる人がベンツ(別にベンツでなくてもBMWでもポルシェでも同じです。)に乗るのかといえば、大半の人は“ステータス”としての価値なのではないかと考えます。
何となく世間的にはまだまだベンツ=成功者と思われるので、儲かっている会社という良いイメージ戦略にはなりそうです。
しかし、税金面から見ると社長がベンツ(特に中古)を買うのには大きな理由があります。
理由の2つ目は「減価償却」が使えるからです。
例えば1,000万円のベンツの新車を買います。新車の減価償却は6年間なので、毎年約166万円が経費となり、払うべき法人税額を減らす効果があります。
しかし、ステータス目当ての社長以外は大抵新車ではなく、4年落ちの中古ベンツを買います。4年落ちの中古ベンツであれば減価償却期間はたった2年です。
新車価格1000万円で4年落ちの価格が600万円だとすると、期首に買えば1年間で300万円も減価償却という経費を計上することができ、その分法人税を減らすことが出来ます。
ここで600万円使って税金を圧縮出来ると言っても実際にお金が出てしまったことには変わりないと考える方もいると思います。中古ベンツを買うことの効用はまだあります。
3つ目の理由は、この中古ベンツを買って2年経つと会計上はたった「1円の資産」ということになります。もし、会社の業績が悪くなって当座の資金繰りに窮した場合、どうすればよいでしょうか。
ベンツをはじめとした高級車は新車から6年経ったとしても中古市場ではまだそこそこの値が付きます。少なくとも1円ということは絶対に無くて新車価格が1000万円もするものであれば程度が悪くても
300万円前後、場合によっては500万円くらいで売却することも可能です。
会計上1円のものが、売却によって最低でも300万円程度の現金に変えることができ、当座の資金繰りの助けになるわけです。
やり手の社長は会社の業績が良い時に中古ベンツで節税を図り、会社が苦しい時の備えをしておくということです。
ただ最近の社長によるこの減価償却を利用した節税と資金繰り対策は、中古ベンツではなく他のトレンドがあるようなので、次回のブログでご紹介したいと思います。