法人に対する税務調査の概況
2019年12月23日
秋の税務調査のピークも終わり弊所も落ち着きを取り戻していますが、法人における税務調査の事績が国税庁より発表になっております。
平成30事務年度(平成30年7月~令和元年6月)における実地調査件数は99,000件(千件単位の発表)と平成29事務年度の98,000件と比べて1.3%の微増となっております。
その99,000件の調査のうち、「非違があった件数」つまり税務調査で指摘があった件数は74,000件で4社のうち3社は否認されているということが分かります。その否認を受けた法人でさらに「不正計算があった件数」つまり重加算税まで賦課されてしまった件数は21,000件となっており21.1%もの割合で重加算税になってしまうのも通常通りとなっています。
調査1件あたりの法人税の増差所得13,965,000円は前年対比136.4%の大幅アップとなっており前事務年度は厳しい税務調査だったことが伺える一方、調査1件あたりの追徴税額は1,964,000円と前年対比98.4%と微減となっていることを考えると、繰越欠損金がある法人にも積極的に実地調査が行われたことが推測されます。
いずれにしても税務調査が入れば平均で約200万円もの追徴税額が課せられることを考えると税務調査での対応は非常に重要な経営事項と言えそうです。