日本に来た外国人の相続税
2019年12月16日
人口減少が続く日本において稼げる外国人が日本に定住してくれるかどうかというのは非常に大切で政府もそれに対する後押しを様々な面で支えていますが、「相続税」における取り扱いでも若干ながらそれは進んでいます。
日本の相続税は基礎控除が3000万円だけでしかも最高税率は55%です。従来は例え外国人であっても日本で住んでいて日本に住所があれば日本の相続税がかかりました。そのため母国にいる家族にもかかり母国にある財産にも日本の相続税がかかるため、そのことがネックになり高度外国人人材は日本を選択しませんでした。そのため平成29年度改正では一時的に日本に滞在している外国人には日本にある財産のみが相続税の対象とされるようになりました。
その一方で、日本に10年以上滞在した外国人が日本を出国後5年以内に死亡した場合は、新たに国外財産にも日本の相続税が課税されると上記と同じ平成29年に改正されました。例えばアメリカ人の方が日本で10年以上就労してアメリカに帰り5年以内になくなると、アメリカの財産に日本の相続税がかかるようになったのですが、これに関しては外国から非難が続出し、昨年、外国人の帰国後の年数に関わりなく、日本国外で死亡した場合には日本国内にある財産のみに相続税がかかることとなりました。
トランプ大統領は常々相続税はもうやめにしようと発言しています。本当に高度な技術や経験を持つ外国人に日本で働いてもらいたいのであれば、相続税における特例措置も今後進めていかなくてはいけないのかもしれませんが、日本人とのバランスをどうするかという問題もあり国税当局としてはなかなか難しい判断が要求されます。