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平成の先送りが令和で解決するか?

2019年4月26日

もう数日でいよいよ平成も終わり新たに令和の時代を迎えるわけですが、平成に先送りしたことが令和になって大問題になることもありそうです。

元号が平成になってまもない今から約27年前、東京、大阪、名古屋の三大都市圏では不動産価格がピークをつけており、中心部で農地を所有する方が亡くなった時、相続税路線価で評価した農地は高価額となり相続税を支払えないという問題がありました。延納を選択したとしてもその農地から上がる収入だけでは延納部分の相続税だけでなく、同じように土地の価額を課税標準とする固定資産税(こちらは原則的に固定資産税路線価を使いますが)の支払いすら出来ないという事態になりました。

それに対する政策として三大都市圏の中心地にある農地に対しても田舎にある農地と同様の措置を講じ、相続税や固定資産税を極端なまでに軽減する代わりにそこで30年以上農業をすることを義務付けるという生産緑地法を制定しました。

平成4年にこの法律が施行されたので、そこから30年、2022年すなわち令和4年にこの生産緑地法の期限が来てしまいます。この年から今までの固定資産税等の優遇がなくなり多額な納税義務が生じると同時にこの地で農業をしなければならないという呪縛からも放たれることになり、これらの農地が宅地などに転用される可能性も強くあります。この東京ドーム2000個以上だと言われる都市農地が一斉に供給される不動産価格の「2022年問題」といわれています。平成で先送りされた施策が令和になって問題が表面化するという事態になっています。

この土地の大量供給を防ぐために政府は新たに「特定生産緑地指定制度」「都市農地貸借法」を創設しています。「特定生産緑地指定制度」は従来農地には認められていなかった産地直売所や農地レストランを認めるというもので、「都市農地貸借法」は農家が他の農家や市民農園等を経営する企業に直接貸し出し、農家が農業をしなくてもよくなる形となります。

新制度と新法がどの程度の効力を発揮するのかは分かりませんが、東京や大阪などの都市圏で不動産投資を考える場合はこの都市農地の問題も考慮に入れる必要があるでしょう。

また、新たな令和の時代は後の世代まで問題を先送りすることが少なくなればと切に願います。