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報酬研修旅行とは

2018年9月25日

これからの東京の都市開発の象徴である浜松町や日本橋にオープン予定の高層ビル群は

MICE」機能を充実させることを目的としています。

「MICE」とはMeeting(会議)、Incentive travel(報酬研修旅行)、Convention(国際会議)、Event or Exhibition(イベント、展示会)の頭文字を取った開発の中心となる大型複合施設が備えるべき機能のことで、特にロンドンやシンガポールの開発においてメジャーになった言葉です。

 

日本人にとって聞き馴染みのない言葉が、「Incentive travel」だと思います。外資系企業などが、販売コンテストやキャンペーンでの成績優秀な社員や代理店などを対象に、企業が報償として行う旅行のことです。欧米などではこれを活用した販売促進が盛んで、その企画・演出を専門に行うインセンティブハウスと呼ばれる企業も存在します。

 

海外から華々しい成果を上げた社員が東京で報酬研修旅行を、浜松町や日本橋のホテルに宿泊して行うことが今後予想される一方、逆に日本人がこの報酬研修旅行でニューヨークやロンドン、シンガポールなどに行くとネックになるのが税金です。

 

法人税基本通達では以下のように規定されています。

「その海外渡航が当該法人の業務の遂行上必要なものであり、かつ、当該渡航のため通常必要と認められる部分の金額に限り、旅費としての法人の経理を認める。」

 

報酬研修旅行という言葉の趣旨通り、どちらかといえば研修は名ばかりで、報酬の意味合いの方が強いものだとしたら、上記の通達では法人の経理とならず、行った人の給与という形になってしまうでしょう。

 

様々な国の人が日本での旅行を「Incentive travel」の名のもと楽しむ一方で、日本人は税法の壁により海外へ「報酬研修旅行」はなかなか難しいとなれば、悲しいことです。