同じ8%でも内訳が違う?
2019年7月2日
これからの参院選の論点となる流れもなさそうなので、いよいよ今年の10月から消費税が10%になりそうです。
我々が所属する東京税理士会と日本税理士連合会は、消費増税と消費税の複数税率導入に反対の意見表明をしています。我々大平宏税理士事務所も特に消費税の複数税率導入には反対と考えております。
なぜ複数税率の導入に反対かと申し上げると、本来「簡素」であることが望ましい税制がより複雑となってしまうからです。
このブログでも再三軽減税率の線引きの複雑さや判断のし辛さを紹介させていただきましたが、殊に「税率の内訳」を考えると不必要に思えるほどさらに複雑さが増すからです。
現行の8%の消費税は「国税である消費税が6.3%、地方消費税が1.7%」という配分割合で構成されています。そして、増税後の消費税率10%は「国税である消費税が7.8%、地方消費税が2.2%」の割合となっています。これだけでも十分複雑なのですが、増税後の軽減税率8%の内訳が現行の消費税8%の内訳と違うことで複雑さに拍車がかかっています。
増税後の軽減税率8%の内訳は「国税である消費税が6.24%、地方消費税が1.76%」となり、現行税率の8%と増税後の軽減税率8%は区分して入力処理をすることが必要になってしまいます。
消費税率の複数税率導入は、ただでさえ複雑な消費税の制度がさらに複雑になってしまうことにどうしても抵抗感を感じてしまいます。