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会計検査院から毎年指摘を受ける税務署の体質

2019年10月11日

住宅ローン減税などの適用を求める確定申告の誤りに国税庁が気付かず、税金を控除し過ぎていた問題で、会計検査院が2013~17年の申告を精査したところ、対象者は約3千人で、徴収不足の総額は計約5億5千万円に上ることが分かったと報道がありました。住宅ローン減税は、所得税などから年末の住宅ローン残高の1%が差し引かれるもので、国民にとっては住宅購入の動機につながる非常に大切な制度です。

 

誤った申告は、親などから住宅購入資金を贈与された人が住宅ローン減税も申告した場合、住宅価格から贈与分を引いた差額とローン残高を比べ、低い方の金額から1%を控除する仕組みなのに、正しく適用していないケースや、自宅の売却益が3千万円まで非課税になる制度と住宅ローン減税は併用できないのに両方利用していたケースがあり、税務署も見過ごしていました。毎年会計検査院から指摘を受けている通り、税務署では頻繁に誤りが起きているのですが、その最大の原因は税務署組織の体質にあるようです。

 

税務署は、税金の種類ごとに担当部署が決まっています。個人の方に関係する税金は、個人課税部門資産課税部門が担当です。個人課税部門は所得税消費税をメインとし、資産課税部門は贈与税不動産譲渡を担当して事務処理を行っています。

 

■個人課税部門が担当する税金の種類

・ 所得税

・ サラリーマンの申告

・ 自営業の申告

・ ローン控除の申告

・ 消費税(個人)

 

■資産課税部門が担当する税金の種類

・ 相続税

・ 贈与税

・ 不動産の譲渡所得

・ 株式の譲渡所得

 

税務署が特殊なのは、所得税の対象となる所得でも担当部署が違う点です。所得税の場合、個人事業の所得は個人課税部門が担当し、不動産売却は資産課税部門が担当します。各部署は自分が担当する所得だけをチェックして、他の所得は確認しません。そうなると、所得税全体としてのチェックが甘くなりますので、確認漏れが発生しやすいと、元税務署職員の平井拓氏が指摘されていました。

 

納税者が提出した確定申告が間違っていたとしても、税務署から「ミスを見過ごしていたので、修正申告をして追加で税金を払ってください」と言われると、納税者としても気分が良くないと思います。確定申告は税理士に任せた方が安心できるのではないでしょうか。

 

 

 

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