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ストラディバリウスのバイオリンと減価償却費

2019年7月19日

CoCo壱番屋の創業者である宗次徳二氏の資産管理会社が昨年、名古屋国税局から約20億円の申告漏れを指摘されていたことが各種報道機関から伝わっています。

日本一のカレーチェーンを築き上げた立志伝中の人物である創業者の宗次氏は53歳で経営の一線を退かれ、その後趣味のクラシックを通じた社会貢献に力を入れ、2007年には28億円の私財を投じて名古屋市に「宗次ホール」を建設し、希少価値の高い楽器を購入し五嶋龍氏をはじめとする若手音楽家に無償貸与し芸術活動を推進されていました。

今回、名古屋国税局が問題視したのは、1丁10億円は下らないストラディバリウスのバイオリン(ZOZO前澤社長も購入したことで有名です)などを減価償却していたことでした。

一般的な骨董品とは違い今回のストラディバリウスのバイオリンは、実際に音楽活動に使用されていたにも関わらずその減価償却費を名古屋国税局は何故問題視したかというと、法人税施行令第13条「時の経過により価値が減少しない資産」は減価償却資産から除くという規定があるからです。高額な楽器だから減価償却が出来ないのではなく、「時の経過により価値が減少しない資産」だから土地や骨董品と同じように減価償却が出来ないという形になります。

報道によると今回の件で、宗次氏は相当お怒りになっている様子で「税理士に法的措置を検討する」とあります。この申告書を作成した税理士へ賠償請求がなされたらと思うと私も同業者として背筋が寒くなるおもいです。