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ジョイント・テナンシー(2)

2019年5月21日

昨日に引き続き、ジョイント・テナンシーのお話をさせていただきたいと思います。

日本在住の日本人夫婦がジョイント・テナンシーを利用してアメリカの不動産に投資した場合のメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

メリットとして相続時の手続きが簡単になるというのはアメリカ人と同様にメリットを享受できます。言葉の壁、特に専門用語が多い不動産の相続をアメリカ現地で行うとなると手間やミスも多いのでこの点はメリットが高いものと考えられます。

逆に税制面はデメリットというか、メリットになるものはあまりなさそうです。

アメリカの税制において、アメリカ市民でない配偶者に対する贈与や相続については配偶者控除を利用して全額贈与税や遺産税を控除することはできませんので、アメリカでの贈与税や遺産税も考慮に入れなくてはなりません。

また、日本においては、ジョイント・テナンシー設定段階で、夫が妻の持分部分の資金負担を行った場合には、資金部分の贈与があったものとして贈与税の対象となってしまい、しかも国外不動産であることから、贈与税の配偶者控除の適用もありません。さらに夫に相続が発生して、妻に自動的に夫の持分が移転した場合は、日本における通常の相続税の扱いと同じで、アメリカのような日本よりも手厚い配偶者への優遇制度ではなくなります。

上記を考えると、日本人にとってジョイント・テナンシーでアメリカの不動産への投資をすることは、相続などの手続きに関してはメリットがありますが、税制に関してはさほど有利な点は見受けられません。