もらえるのにもらっていない年金
2019年7月22日
参院選は終わりましたが、野党はいわゆる「老後2000万円」問題を安倍政権批判の材料として選挙戦を戦う候補者が多かったようです。特に議席を伸ばした立憲民主党はその傾向が強かった印象があります。
こうしてある程度世間の注目を集めた「老後2000万円」ですが、実はもらえるのにもらっていない状態に多くの方がなっている状態の年金というのがあります。
それは問題となっている公的年金の方ではなく、企業年金の方です。企業年金というのは、企業が独自に公的年金に上乗せしている年金で、現在原則10年間支払わないともらえない公的年金と違って、働いている会社に企業年金があれば、たとえ一か月の加入であっても、もらえる年金となっています。企業年金連合会のホームページによると平成31年3月末時点で企業年金の未請求者はなんと117.2万人もいるとのことなので、かなりの人数に上ります。約2割の人がもらえるはずの年金をもらっていないという状況になっています。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。厚生年金基金のある企業にお勤めの方が結婚を機に退職された場合などが事例として多いみたいです。厚生年金基金は60歳になってはじめて支給されます。かつて自分が勤めている会社に厚生年金基金があって、自分もそこで働いて加入していたということを覚えていれば請求できますが、忘れてしまっているということが現実には多いのではないかと思われます。また、基金側でも結婚して名字が変わってしまうと本人の特定も難しくなり、本人の申し出がない限り支給が難しいという事情もあるようです。
また、10年未満の短期加入者や、10年以上加入していたという人でも企業の厚生年金基金自体が解散している場合には、積み立てた企業年金は企業年金連合会に移管されているので、それを知らず請求がなされていないという例も多いようです。
もし、自分がそれに該当していると思われた場合は、電話、インターネット、文書いずれかの方法で企業年金連合会に問い合わせをしてみてください。