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「働き方改革」と消費税の申告期限の延長

2019年8月26日

少し早い話ですが、令和2年度の税制改正案が色々と出てきています。

連結納税制度の見直し税務手続き電子化の進展などが大きな論点になりそうですが、数多くの法人等にとって良い方向に影響が強そうなのが、消費税の申告期限延長の是非です。

法人税の確定申告書は原則として事業年度終了の日の翌日から二月以内に提出しなければならないとされていますが、特例として単体納税の場合は一月、連結納税の場合は二月の申告期限の延長が認められています。

一方、同じように申告書を提出する消費税についてはこのような申告期限の延長制度はなく、事業者は課税期間の末日の翌日から二月以内に消費税に係る申告書を提出し消費税を納付しなければならないとされています。この法人税と消費税の申告期限のズレは経理部や税理士事務所にとっては非常に不都合で、例えば申告期限の特例を受けた単体納税の3月決算法人では、法人税の方は6月末までに行えばよい法人税の申告調整業務を5月中に行わなければならなくなり、苦労して5月中に消費税の申告を済ませた後、法人税の申告プロセスで新たな調整項目が見つかった場合には、消費税の修正申告や更正の請求を行わなければならなくなってしまいます。

今回の税制改正で、この消費税と法人税の申告期限のズレが政府が推奨する「働き方改革」に逆行しているという指摘もあり、消費税の申告期限の延長が進むという可能性は大いにありそうな流れとなっています。