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税制がゆがめる不動産流通過程

2019年10月21日

中古マンションの販売を行う不動産会社にとって非常に注目すべき判決が10月11日に東京地裁で下されました。

消費税における仕入税額控除額計算上の個別対応方式の用途区分の問題における裁判です。どういうことかというと、消費税における個別対応方式では、支払った消費税を「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」「非課税売上にのみ要する課税仕入れ」「課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れ」に区分して計算をします。

分かりやすく例示すると、例えば駄菓子屋さんで駄菓子を仕入れた分に係る消費税は「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」となり、その消費税額全額を控除できるのに対し例えば店舗の電気代など「課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れ」に関しては課税売上割合を乗じた分しか消費税額を控除することができません。

通常の会社であれば、非課税売上の割合というのはそこまで高くなることは多くないのですが、不動産販売会社は土地という非課税売上の割合が多くあり、消費税を全額控除出来ない部分が多くなりがちです。

今回判決が出たのは、不動産会社が中古マンションを仕入れた際に、その中古マンションが販売されるまでの間その会社が家賃収入を得ていた時、その仕入は消費税を全額控除できる仕入になるのか、それとも課税売上割合を乗じた部分しか控除出来ない共通対応仕入になるのかが争われた裁判でした。マンション販売会社にとって、中古マンションの仕入れはあくまで販売するためであり家賃を得るために仕入れたわけではないから共通対応になるのはおかしいという主張でしたが、残念ながら納税者の請求を棄却する判決が下され、共通対応仕入にするべきとの結果になりました。

この判決が出る以前から、中古マンションの流通過程において各業者とも家賃を押し付け合うという非常に不合理な取引が実際の現場ではまかり通っていましたが、その流れに拍車がかかりそうです。