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年末調整の変更点

2018年11月30日

この時期になると、すでに年末調整の書類を会社に提出した方もいらっしゃると思います。

例年と異なり、今年は配偶者控除及び配偶者特別控除の取り扱いが変更されました。

大きな変更点は、合計所得金額が1,000万円を超える所得者については、配偶者控除及び配偶者特別控除を受けることができなくなったということです。

さらに、配偶者控除は所得者の合計所得金額に応じて控除額が3段階(38万・26万・13万)に改正されました。

また、配偶者特別控除は対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされ、その控除額も夫婦の合計所得金額に応じて改正されました。(1万~38万)

合計所得金額が900万円を超える所得者は、段階的に控除額が減額される仕組みになっています。

来年の10月から消費税が10%に増税され、ニュースで取り上げられる機会も多いのですが、サラリーマンの方は足元でも増税が始まっていると言えるでしょう。

 

少しでも税金を下げるためには、親御さんを扶養に入れるというのも一つの方法です。

一口に親を扶養に入れるといっても、税金上の扶養と社会保険上の扶養は条件が異なりますので、ここでは税金上の扶養についてお伝えします。

 

税金上の扶養条件は2つです。

1.親の年間所得が38万円以内

2.あなたと親が生計を一にしていること。

 

親を扶養に入れたくても、親は親で年金収入が結構あるというケースも存在すると思います。

では親の年金収入がいくらぐらいまでであれば扶養に入れて大丈夫なのでしょうか。

公的年金受給者で65歳以上の場合、年金収入が158万円以下であれば扶養に入れることができます。これは一人の金額です。例えば両親がそれぞれ年間140万円であれば両親ともに扶養に入れることができます。

しかも親の年齢が70歳以上であれば通常の扶養控除38万円よりも10万円高い48万円で、両親ともに扶養になっていれば96万円もの控除が受けられます。

さらにさらにその親と同居していれば一人当たり58万円もの控除になります。

 

次に、あなたと親が生計を一にしているとあります。

国税庁のホームページによると。

 

「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にするすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかにお互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

 

とあります。

 

同居の場合は、明らかに互いに独立した生活を営んでいる場合を除き、「生計を一にする」です。

別居の場合は、常に生活費や療養費などの送金が行われている場合と記載されているので毎月の親への仕送りが必要となります。

 

国税庁のホームページには次のようなことも記載されています。

 

別居している者を扶養控除の対象とするためには、常に生活費、療養費等の送金が行われているなど「生計を一」にしていることが必要となります。法令上、源泉徴収義務者に対してこれを証明する書類等を提出することまで必要とされているわけではありませんが、正しい扶養控除の計算を行うためには、銀行振込や現金書留により送金している事実を振込票や書留の写しなどの提示を受け確認することをお勧めします。

 

とあります。

「法令上は仕送りを証明する書類は必要ない」ようですが、銀行振込の控えなどは残しておいたほうが望ましい。とのことです。