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国家と税と民衆

2019年7月10日

世界には様々な国がありますが、その国の税目を見ると、国家の考え方が現れていて興味深いです。環境保全を目的とし、環境を汚染することにつながる物質を排出する行為や消費を抑制することを期待する税は環境税と総称されます。その税収は環境の保全などに充てられますが、例えば「炭素税」などは登場し始めてから30年ほどなので、環境税という概念の歴史はまだ浅いものだと思います。日本においては、産業廃棄物税森林環境税が導入されましたが、ヨーロッパ諸国に比べると環境税という考え方の普及や法整備は遅れている印象があります。

 

ヨーロッパの中でもフランス環境を守る意識が強い国家とされますが、そのフランスで新たな環境税として来年から自国発の便の航空券に1.5~18ユーロ(約180~2200円)を課税する方針を決めました。年間1億8千万ユーロの税収を見込み、航空機より温室効果ガス排出量の少ない鉄道網の整備などに充てるとしています。ボルヌ交通担当相は記者会見で「市民の間で(温室効果ガス排出の多い)航空交通に関する税制を巡り不公平との認識が広まっている」と指摘。欧州連合(EU)や全世界で航空燃料に関する共通税制の導入を目指すとする一方、スウェーデンやオランダなどに倣い、航空券への環境課税を決めたと述べました。

 

フランスでは昨年、燃料税引き上げを巡り、公共交通機関が少なく自家用車で移動することの多い地方を中心に抗議の声が上がり、政権に抗議する「黄色いベスト運動」の全国デモに発展しました。「現代版黄巾の乱」とも称され、広い範囲で抗議活動が行われましたが、民衆が国家に対して不満を爆発させるきっかけが税金であることも、国家の歴史と密接なつながりがあるように思います。